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【2016年1月】特別講義

浜松医科大学腫瘍病理学非常勤講師 遠藤  雄三 先生

「ガン予防と食べ物の関係」

遠藤雄三先生

食べ物でガンも予防可能

日本人の死亡原因の1位は相変わらずガンです。70歳代になると、2人に1人がガンになります。死亡原因の2位は心臓病、3位は肺炎ですが、これまで3位は脳血管疾患でした。脳血管疾患には、脳の重要な血管が破れる脳出血や同じく重要な血管が詰まる脳梗塞などがあります。脳梗塞は若干増えつつありますが、脳出血は明らかに減りました。これには日本人の塩分摂取量の低下が大きく影響しています。以前の日本は、漬物や味噌汁など、塩辛い食べ物を多くとる食習慣があり、事実、その傾向の強い東北地方では、多くの人たちが脳出血で亡くなっていました。

ところが、減塩が一般に浸透することにより、脳出血の直接の原因である高血圧の患者さんが減り、結果として脳出血で亡くなる人も減ってきたのです。一方で、予期せぬ良いことがあり、胃ガンが減ってきたのです。これについては講演会でお話しましょう。

このことは、食べ物によって病気が予防できることを証明しているといえます。ガンも同じで、対策によって予防は可能なのです。

若い女性に増える乳ガン

 最近、女性芸能人が次々と乳ガンにかかっていますが、明らかに若い女性に乳ガンは増えています。これは日本に限ったことではなく、欧米ではより深刻で、私がカナダにおりました2002年当時北米の世間では乳がんは女性の『伝染病』とまでいわれていました。
 心筋梗塞や大人の発ガンの原因のひとつとして脂質、とくにトランス脂肪酸があります。トランス脂肪酸は一般的にはショートニングの主成分です。製品の日持ちをよくし、ふっくら感を与え、食感のよさをひきたてます。パンやケーキ、クッキー、スナック菓子、マーガリンなどに使われています。若い女性が好む食品に多く含まれており、乳ガンが増えている原因も食べ物の中のトランス脂肪酸が疑われているのです。バターは動物性脂肪だから健康に悪く、マーガリンは植物性脂肪だから安心だということは誤解といえます。このことについて以下に述べる食べ物の中の脂肪の消化吸収のしくみに原因があるのです。

油っこい洋食がガン患者を増やす

 日本人の食は欧米化されてきました。洋食の中でも油っこい食べ物を食べていると、これを消化するためにたくさんの胆汁が必要となります。すると、多量の胆汁が混ざった脂っこい消化物が大腸へと送られ、腸内の環境を大きく変えてしまうのです。つまり、腸内細菌が変容して乳酸菌の多い状態から悪玉菌が増えてしまいます。腸の中はまさに化学工場です。そして生まれるのが発ガン物質です。その発ガン物質が大腸の粘膜に作用して、小さな炎症を起こし、繰り返されることが大腸ポリープや大腸ガンを引き起こす原因になります。さらに腸内容物は腸から体内(血管内)へと吸収され、乳腺や前立腺、膵臓、尿路などの外分泌腺の分泌液へと分泌されます。血管内に入った怖い物質としては、タバコの煙が肺から血管内に入ることと同じで、これも外分泌腺に出てきます。
 乳腺に達した発ガン物質は乳ガン、前立腺は前立腺ガン、膵臓は膵臓ガン、尿路は膀胱ガンの原因となるのです。前述のとおり、女性では乳ガンの患者数は増えていますし、男性の場合前立腺ガンが増えており、若年化しています。そのほかに膀胱ガンや膵臓ガンは男女ともに増加しています。

“潜伏期間”にガン予防

 固形ガンの場合、小指の頭くらいの大きさになるのに15年ほどかかります。これは1立方cmほどですが、そうなるとレントゲンなどの検査でも影となって写ることもあり、ときには見逃されることも少なくありません。ガンの“潜伏期間”といってもいいでしょう。それを過ぎると、腫瘍は急激に大きくなるのです。
 ガン予防には、“潜伏期間”における第1次予防、早期発見、早期治療の第2次予防、能動的病気療法や統合医療の第3次予防の3種類があります。この“潜伏期間”のうちに手を打っておくと、ガンの発症は抑えられますから、まさに予防のチャンスなのです。そのためには洋食より和食をお勧めします。日本人の喫煙率は欧米人より高いものの、肺ガンの発症率は欧米より低い。これには和食が発ガンを抑制するように影響していると考えています。    

食医同源で病気予防

 正常な細胞がガン化して腫瘍となるには、そのきっかけとなる因子と促進させる因子があり、双方に関与しているのが活性酸素です。活性酸素は体内の酸素から発生し、強い毒性を持っています。喫煙は活性酸素を発生させますし、タバコはまさしく活性酸素そのものといってもいいでしょう。
 第1次予防では、活性酸素を除去する抗酸化食品や禁煙、免疫調整食品、抗性ホルモン食品、抗炎症性食品などを摂取するようにします。医食同源ならぬ、食が先にくる食医同源です。食品の代わりにサプリメントを使ってもかまいません。サプリメントは第3次予防にも用いられます。ガンだけでなく、多くの病気予防のために私が提唱しているのは「4つのホドホド」です。その詳細は「福寿の日」にお話ししたいと思います。    

遠藤先生
遠藤雄三先生 プロフィール

 

浜松医科大学腫瘍病理学非常勤講師。医学博士。東京大学医学部卒。虎の門病院免疫部、細菌検査部、病理部の各部長を兼任。退職後、カナダ・マクマスター大学健康科学部病理部・分子医学部門客員教授。2003年より現職として、抗炎症や抗発がんの研究を進めている。

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