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【2015年5月】特別講義

浜松医科大学腫瘍病理学非常勤講師 遠藤 雄三 先生

「免疫の仕組みと食品による活性化について」

私たちの体(自己)に細菌、ウイルス、アレルゲンなどのさまざまな異物(非自己)が侵入してきても簡単に病気にならないのは、体を守るためにこれらの異物と戦う仕組みが胎児後期から発育、成長して備わっているからです。それを免疫系(システム)と呼びます。レインボーでは免疫系を成長、活性化させることの重要性を訴えてきました。会員の皆様にも免疫に関する理解を深めていただくため、このたび遠藤雄三先生に特別講義をしていただきました。今回はその内容をお伝えします。

遠藤雄三先生

人間が持つ免疫の仕組みとは

免疫系はおよそ10億もの細胞が担っており、時に応じて増減します。免疫系というお神輿をこれらの細胞が担いでいるわけです。これを私は仲よしの“お神輿ワッショイ”と呼んできました。この仲よいバランスがくずれることが「病気」です。

 免疫は異物を攻撃するだけではありません。ガンにかかった場合、抗ガン剤の副作用や体重減の場合に症状を軽減します。アレルギーや血管の局所炎症から始まる動脈硬化を抑えるのも免疫系なのです。これらが“お神輿ワッショイ”の復元力です。

 なかでも、血液細胞は免疫細胞達であり、血漿成分はさまざまなサイトカインを含んでいます。おおまかには血液のことであり、これらをつまり生命力といっていいでしょう。加えて、自律神経と内分泌系がこれらを支えています。そして、これらをコントロールしているのが脳の視床下部の神経細胞達です。ところが、人間の活動はすべて脳が指令を出しているわけではありません。脳の役割はその一部に過ぎないのです。

 例えば、手のひらは通常ピンク色をしています。それを指で押すと白くなりますが、これは毛細血管の中の赤血球などの血液細胞が他の血管内に押しやられるからです。指を離すと元の血管内に戻ってきて、見た目もピンク色に戻ります。この反応は末梢組織でおこなわれており、脳は関与していません。このような体のすべての場所が微小環境であり、免疫系の“お神輿ワッショイ”の場です。こうした場所での出来事が前に述べた自律神経情報と血液情報として視床下部に伝えられます。視床下部は更に五感からも密接に影響され、体内に一瞬一瞬にそして微妙に調整されて、免疫系つまり自然治癒力が維持されているのです。

免疫の活性化の善し悪し

 免疫の主力部隊になっている血液細胞にはさまざま種類があり、「活性化」といっても一様ではありません。例えば、Tリンパ球は細胞自身が増加したり、その働きが多様化したりします。Bリンパ球は数も増えますし、異物を撃退する抗体の産生量を増やしたりもするのです。

 これを「免疫力が高まる」ということもありますが、免疫力が高ければ病気を防いでくれるかといえば、そうでもありません。

 アレルギーはその典型でしょう。アレルギーの「アレ」は「異常」という意味があり、「(エ)ルギー」は「エネルギー」のことです。通常は「過剰」を意味し、過剰な“免疫力”であり、困りものです。

 Bリンパ球が異物を撃退する抗体を産生することはすでに述べましたが、それらにも種類があります。造り出した抗体がIgGならば本来の抵抗力を発揮しますが、体質的にIgEを生み出すとアトピー性皮膚炎や花粉症、関節リウマチなどのアレルギーを起こしてしまうのです。

免疫を調整することの重要性

 インフルエンザはウイルスの感染によって起こり、残念ながら多くの方々がこれまで亡くなってきました。体内におけるウイルスの増殖が死亡の原因だと思いがちですが、多くの場合、そうではありません。

 ウイルスなどの異物が体内に侵入してくると、免疫細胞達の産生するサイトカインという物質がTリンパ球やBリンパ球に情報を伝えます。これがバランスよくうまく働かないと免疫機能が混乱し、ウイルスなどの排除に対応できなくなり、全身での炎症反応、ショック状態に陥ります。これをサイトカインストーム(嵐)と呼びます。“お神輿ワッショイ”でいいますと、お神輿がひっくり返ってしまい、元に戻らない状態になってしまうのです。インフルエンザウイルス感染で亡くなる人やアレルギー性ショックの多くは自滅なのです。免疫系は高めるだけではなく、バランスよく調整し、“お神輿ワッショイ”でなければなりません。

サプリメントで免疫力を活性化させるには

 血液細胞(免疫細胞)をはじめとした体のすべての細胞そしてサイトカインは食べ物を原料として造られています。さらに、これらを支えている自律神経や内分泌系の働きにもビタミンやミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸などの食べ物がかかわっているのです。そこで、こういった作用を持つ食べ物やサプリメントをとることは大切ですが、体に吸収されないと意味がありません。口の中に入ったことが体の中に入ったこととはかぎりません。

例えば、骨の先端にある軟骨が擦り減ることで膝痛が起こることもありますが、それを予防、改善するために軟骨の成分であるグルコサミンをとる人がいます。しかし、口から入ったものがそのまま膝関節の軟骨に届くとは思えません。作用が期待されている食べ物やサプリメントを選ぶときは、体の中に吸収されるか否かが重要な基準です。実際の実験では、血液の中に存在を確認できた、つまり、体に吸収されることが確認できた物質もあります。

遠藤先生
遠藤雄三先生 プロフィール

 

浜松医科大学腫瘍病理学非常勤講師。医学博士。東京大学医学部卒。虎の門病院免疫部、細菌検査部、病理部の各部長を兼任。退職後、カナダ・マクマスター大学健康科学部病理部・分子医学部門客員教授。2003年より現職として、抗炎症や抗発がんの研究を進めている。

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